大学が始まった
大学が始まった。
一週間18コマのハードスケジュール。
一限が週4日ある日々。
単位数制限がある私立大学では経験できない生活。
朝、今池で、本山で。
いろんなときに、金山で、名古屋で。
改札に向かう人ごみに紛れて歩く生活。
Manacaを片手に歩みを進める自分の顔はどうだろうか。
きっと、希望に満ちてないだろう。
「自分は特別な一人の人間でありたい」と願うのに。
その場を俯瞰して見ると、私は社会の何気ない一人に過ぎなくて。
毎日その感覚に襲われている。
大学が始まった。
高校時代の憧れの先輩が編入してきた。
高校時代一度もなかった、隣で机を突き合わせて学ぶ時間。
その授業の間も、妙な圧迫感を感じる。
人生の経験の違い。圧倒的な学びの差。
たった1つしか違わないのに、かくも違いがあるのか。
隣にいることで、改めて感じるすごさ。やっぱりすごい。
同時に自分に感じる劣等感。
「こんなの理念になるわけないじゃん」という一言。
自分はその真意がわからない。
大学が始まった。
18コマと言っても週に4日は16:30には授業が終わる。
自分が思ってるより、多くの自由な時間が、かといってどこかに行くには中途半端な時間が与えられている。
その時間をうまく使えていない。そんな気がする。
何か学ぶとか、何かできるようになるとか、なんでもできる気がするのに。
何もできない。苦痛な時間。
大学が始まった。
専門科目が始まった。
「概論」と書いていながら、結局好き勝手な範囲をやっている。
高校みたいに、一から十まで日本史の知識を教えるわけじゃない。
文学部の先生って大変だと思う。
経済や法みたいに確立された理論体系を教えるわけじゃない。
まだ不確実なものを、授業で扱わなきゃいけない。
「自分の専門は〇〇です。」と自分を客観視する。
「自分は〇〇の考えを批判しています。」と自分の位置を定める。
自分の好きなことを研究していく中で、考え方って変わる。
そのとき、今まで自分の軸としていた客観視していた自分とどこまで離れるのか。
文学部の先生って難しい。
大学が 始まった。